実はできていない正しい歯磨き
歯磨きは小学生以上になると、自分で磨くことが多いので、自己流になりがちです。そのため残念ながら、正しい歯磨きができない方が非常に多いのが実情です。
毎日歯磨きをしている、定期的に歯医者に通っているのに、虫歯になってしまう方は多いかと思います。私たちも日頃多くの患者様とお会いしてそういったお悩みをお聞きします。
もしかしたら、歯磨きの仕方に原因があるかもしれません。それ以外にも唾液などの体質的に虫歯になりやすい方もいらっしゃいます。
歯磨きは小学生以上になると、自分で磨くことが多いので、自己流になりがちです。そのため残念ながら、正しい歯磨きができない方が非常に多いのが実情です。
朝の忙しい時間帯などは短時間で歯磨きを終えていることも多いのではないでしょうか。歯磨き粉の爽快感でスッキリし満足してしまい、ついつい雑に歯磨きを短時間で終わらせていないでしょうか?
急いで歯磨きした場合、歯に付着している汚れをしっかり落とすことはできません。
また、寝る前の歯磨きは非常に重要です。磨き残しが多い状態で寝てしまうと就寝中に口の中は細菌だらけになってしまいます。そして、寝ている時は歯を細菌から守ってくれる唾液の分泌がほとんどないため、虫歯が生じやすいのです。
忙しくても歯磨きの時間は十分確保し、特に就寝前の歯磨きは念入りに行いましょう。
歯を力強く磨いてしまうと、歯や歯茎が傷ついてしまうため、とても危険です。強く磨くことで、よりきれいに磨いていると勘違いしがちですが、歯の表層・エナメル質が徐々に削れてしまい、象牙質と呼ばれる内部が露出する場合があります。象牙質は冷たい食べ物などの刺激に弱く痛みを感じやすいため、知覚過敏の原因になってしまいます。
見た目にも変化が現れ、歯茎が下がり歯が長く見えるようになった、歯の根っこが見えるようになったなどの変化がある人は要注意です。
また、歯の表層であるエナメル質が削れることで、虫歯や歯周病などのリスクも高まります。
「根面う蝕」といって、歯周病の進行や歯磨きの圧が強すぎる場合などによって歯茎が下がり、歯の根っこの部分が露出してくると、そこに虫歯ができてしまうことがあります。
歯磨きにはテクニックや方法があり、人によって磨き方は異なります。歯の磨き方には、大きく分けて3つの方法があります。
1つ目は、スクラビング法です。歯の面に対して、歯ブラシを直角にあてがい、少し圧をかけながら左右に動かして磨く方法です。ポイントは小刻みに歯ブラシを動かして磨くことです。
2つ目は、バス法です。歯肉炎や歯周炎の方に適した歯磨きの方法です。
そして最後3つ目は、フォーンズ法です。他の2つと比較して、どの年代の方でも習得しやすい歯磨き方法です。歯ブラシを歯に対して直角にあて、円を描くように歯ブラシを動かしていきます。
フォーンズ法は清掃作用が高くマッサージの意味合いもあるので、歯磨き粉はつけずに毛先が柔らかめのタイプの歯ブラシを選ぶことをお勧めします。
患者様ごとに合った歯ブラシや、歯磨きの仕方がありますので、ご来院いただいた際にきちんと説明します。ご安心ください。
歯磨きの代表格は歯ブラシですね。しかし歯ブラシでは磨き残しがあり限界があることをご存知でしょうか?というのも、歯ブラシは歯の平面は磨くことは可能ですが、歯と歯の間などを磨くことにはあまり適していません。
そこで、フロスと呼ばれる補助器具が登場します。フロスは、歯と歯の間を磨くための器具ですので、歯ブラシではきれいに汚れを除去することができない箇所もしっかり磨くことができます。
歯磨きをした後に何度も口をゆすいでいませんか?実はあまりにもゆすいでしまうと、歯磨き粉の中に入っている、虫歯の予防成分であるフッ素などを洗い流してしまうため、逆効果です。
歯磨き粉の味などが苦手でこれまで何度も口の中をゆすいでいた方は慣れるまで時間がかかるかと思いますが、歯磨き粉には予防に有効な成分が含まれていますので、これからは歯磨きのあとにお口をゆすぐのは1〜2回ほどに留めておきましょう。
しっかり歯磨きをしても虫歯になりやすい人も存在します。その多くの原因が唾液です。
唾液は消化酵素の一つでもありますが、口内をキレイに保つ働きもあるのです。
浜島 均
愛知学院大学歯学部 出身
愛知県済生会病院 歯科口腔外科 にて研修
同大学 顎顔面外科学講座 口腔先天異常学研究室 所属
一般歯科医院を経て
2021年 あいおい歯科グループ 横浜駅前歯医者・矯正歯科 開院
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