予防歯科

予防歯科とは

予防歯科とは、虫歯や歯周病になってから治療するのではなく、悪くならないために予防する治療のことをいいます。病気になってから治療をしたとして、抜歯などをしてしまった歯は二度と元には戻りません。

だからこそ、今から予防していくことが大切なのです。古くから日本の医学では「名医は未病を治す」という言葉があるほど、予防はとても重要です。

日本と海外の予防に対する意識の違い

皆さんは予防に対して、どれだけの意欲を持っていますか？
「虫歯になってから治せばいい」というように考えてはいませんか？

実は、定期的な歯のメンテナンスを行なっている人は、人口全体の5%しかいないと言われています。
我々歯医者による歯の治療というのは歯を元に戻しているのではなく修理しているに過ぎません。削った歯は元に戻りませんし、歯周病におかされた顎骨が再生する事はほぼありません。そのため、現時点で歯を大事にしていない場合、将来的に歯を失う恐れがあります。

海外の予防への意識

海外に目を向けてみると、ヨーロッパの先進国では全人口の6〜7割の人が定期的に歯の健診をおこなっています。先進国では、予防をするというのは当たり前のことで、虫歯になってから治療して治すというのは遅れた考えだということです。
実際に、80歳になった時の残りの歯の本数も、先進国のスウェーデンは20本残っているのに対して、日本はわずか8本です。

歯は生まれた時から当たり前にあるものですが、自分の天然歯というのは非常に価値の高いものです。この価値にしっかり気づいて、将来の自分のために予防をしないといけません。

予防歯科の効果

歯が長持ちする

自分の歯というのは、一度失ってしまうと二度と取り戻すことはできません。
虫歯を何度も再発して、何度も歯を削れば歯は失われてしまい、治療後の歯というのは天然の歯に比べると耐久性が低いので、治療を何度も行わなければならなくなる可能性もあります。
そうならないために、健康な歯を維持することが大切で、予防歯科を取り入れていくと長く維持し続けられます。

病気を早期発見できる

歯医者で定期検診を受けることにより、虫歯や歯周病を早期に発見でき、ひどい状態になることを未然に防ぐことが可能です。虫歯や歯周病は早期発見することで症状の進行を防ぐことができ、生涯健康な口腔内を保つことができます。

経済的費用の軽減

もちろん、定期検診にはお金がかかってしまいますが、長い目でみて、虫歯や歯周病になった時の治療費と比べると費用を抑えられるメリットがあります。
虫歯や歯周病になると、定期検診の費用以上の金額がかかってしまいますので、経済的にも予防歯科のメリットというのはとても大きいです。

歯医者で予防歯科をすることで

虫歯菌や歯周病菌など、私たちの口腔内にはさまざまな種類の菌が存在します。その中でも成人以降で最も注意しないといけないのが、「歯周病菌」です。歯周病菌は、活動が盛んになると私たちの身体に様々な悪影響を与えます。

日々のブラッシングの磨き残しで、プラークと呼ばれる白く粘り気のある塊の元がつくことが発端となり、じわじわと顎骨や歯茎を蝕んでいきます。

これが歯周病という病気なのですが、歯周病はさらに進行して悪化すると、最悪の場合、抜歯になってしまいます。
軽度のものも含めると成人の約80%が歯周病にかかっていると言われるほど、私たちにとって身近な病気です。最悪なケースにならないためにも、定期的なプロフェッショナルケアを行うことをおすすめいたします。

プロフェッショナルケアについて

プロフェッショナルケアとは

普段、皆さんが行なっている歯磨きやフロスはお家でできる予防の一つで、ホームケアと言います。
ホームケアだけではなく、日頃の生活で糖を摂り過ぎないようにしたり、キシリトールが入ってるガムを食べていたりすることも、自分でできる身近な予防になります。

しかし、どんなに予防で気をつかっている方でも自分では気づかない磨き残しやトラブルが起こっている可能性もあります。

そのような自分では見逃してしまうような部分を、歯医者でプロフェッショナルケア（歯科衛生士によるクリーニング）をしてもらうことにより、お口の健康を保つだけではなく、変化があれば早期に気がつけ・悪化させないように予防プログラムを組むことが可能です。

プロフェッショナルケアによるメリット

プロフェッショナルケアでは、日々の歯磨きだけではなかなか取ることのできない部分の汚れを掃除したり、固まってしまった歯石を専用の器具（スケーラー）を使用して取り除いていきます。

口腔内環境が整うのはもちろんのことなのですが、虫歯や歯周病の早期発見も可能となります。また、皆さんに合った歯磨きのやり方やケアの方法を歯科衛生士からレクチャーいたしますので、ホームケアのクオリティも高くなります。

プロフェッショナルケアの流れ

1. 口腔内チェック初めに、歯茎が腫れていないか・虫歯はないかなど丁寧に口腔内を確認していきます。
   その後、事前に撮影しているレントゲンもあわせて確認しながら、歯周ポケットの深さを測定します（歯周検査）。
   最後に、染め出しによる歯磨きのチェックを行い、どのくらいお手入れがしっかりできているかを確認していきます。
2. 歯石除去（スケーリング）専用の器具（スケーラー）を用いて、歯石を取り除いていきます。歯を傷つけないよう丁寧に取り除いていきます。
   スケーラーには超音波を利用する超音波スケーラーと手作業で行う手用スケーラーというものがあります。
3. ペーストを用いて磨きます歯石を取り除いてきれいになった歯面に専用のペーストを用いて磨いていきツヤツヤにしていきます。
4. スケジュール調整今後、どのくらいのペースで定期検診を行なっていくかを、口腔内の状態によって決めていきます。
   患者様一人一人に合ったオーダーメイドで予防プログラムを設計してまいります。

記事の監修

あいおい歯科グループ 横浜駅前歯医者・矯正歯科
院長兼相生会理事長

浜島 均

経歴

愛知学院大学歯学部 出身
愛知県済生会病院 歯科口腔外科 にて研修
同大学 顎顔面外科学講座 口腔先天異常学研究室 所属
一般歯科医院を経て
2021年 あいおい歯科グループ 横浜駅前歯医者・矯正歯科 開院

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